
はじめに
散々迷って僕の手元に来た FiiO M21。
購入前から気になっていたコンパクトさとデザイン性、そして音質の評判。
正直iBassoのDX180とめっちゃ迷いました。
決め手はやっぱりファーストインプレッション。手持ちで最もニュートラルなUERMで「いい音だ」と感じたのと、アクセサリーにカセットテープ風ケースがあったのがオタク心をくすぐられたのでした。
実際に使ってみると、スペック表だけではわからない“音楽体験を底上げする快感”がありました。
今回は「外観」と「音質」に分けてレビューしつつ、合わせて購入した カセットテープ風ケース の楽しさも紹介します。
外観レビュー
M21を手に取った瞬間の第一印象は「小さいのに高級感がある」でした。
手に収まるサイズ感なのに、しっかりした重量感があり、筐体のメタルボディは冷たさと滑らかさが共存している。
この「所有している満足感」は写真で見る以上に大きいです。


ボタン配置と操作性
M21は音量調整が上下のボタン式。
ロータリーノブと違って「ピタッ」と音量を決められる操作感が心地よい。
再生/停止、曲送り・戻しボタンも左右に直感的に配置されていて、手探りでも迷わず操作できます。
通勤中や外出先で「ポケットの中で操作する」なんてシーンでも、しっかりストレスなく使えるのが嬉しいポイントです。


カセットテープ風ケース
今回一緒に購入したのが「カセットテープ風ケース」。
透明アクリルの中にM21を収めると、まるで昔のウォークマンを持っているようなレトロ感が出るんです。
オーディオオタクにとっては「ただの保護ケース」が“推しアイテム”に化ける瞬間。
M21自体の近未来感と、カセットというノスタルジーが合わさることで、「使うたびにニヤける」楽しみが増しました。


ケースの蓋を閉じると画面操作は出来ないので、カセット画面を解除して曲選択などをする必要があります。

基本的には一つのアルバムやプレイリストを流しっぱの使い方になります。
FIIO SK-M21C Dark Blue 専用ケース M21専用 プレイヤーケース カセットテープ風 レトロ おしゃれ 持ち運び フィーオ
スペックにも注目!M21が“ただのDAPじゃない”理由

実際に使っていて、「この価格帯でこの完成度はすごいな」と思わず唸ってしまったのが、スペックの作り込みだ。
まずSoCは、スマホでも使われているSnapdragon 680。日常操作がサクサクなのはこのおかげ。Androidベースだけどストレスはまったくなく、音楽再生中にアプリ切り替えてもモタつかないのが快適。RAMも4GB、ストレージは64GB(実質は約52GB)で、microSDも最大2TBまで対応と、拡張性も十分。今回新たに512GBを追加購入。
DACチップはCS43198を4基も搭載した贅沢仕様。Cirrus LogicのCSシリーズって、どこかアナログライクな音作りが魅力で、それをクアッド構成で鳴らしてくるのはまさに“Fiio流”。実際、音にしっとりとした艶やかさや粘りがあるのはこのチップのキャラが活きてるからかも。
出力周りも実用性とこだわりの両立が光ってる。
- 3.5mmはシングルエンド、4.4mmはバランス出力
出力パワーも驚異的で、バランス(4.4mm)なら950mW+950mW(@32Ω)、3.5mmでも400mW超え。
試しにFitEar 334や224と組み合わせてみたけど、Highゲイン以下でも十分な駆動力を感じたし、
D.MODE(デスクトップモード)スイッチが秀逸すぎる。デスクトップモードで発動するSuper High Gainでは鳴らし切るどころかちょっと手加減したくなるくらい。
外部給電オンリーに切り替えると、バッテリーを充電せず動作するモードに移行するんだけど、これが本当に便利。デスク据え置き環境で「バッテリーを劣化させずに使いたい」人には必須レベル。
無線も申し分なし。Wi-Fiは2.4GHz/5GHz、Bluetoothは送受信両対応でLDAC/LHDCまで対応。FiiO Linkも快適で、スマホからの遠隔操作や再生リスト整理にも重宝してる。
このスペックを“ただの数値”として見るんじゃなくて、「音楽体験にどう繋がるか」という目線で考えると、M21って本当に“音楽を楽しく聴くためのDAP”だなって思う。
そして、それを実際の使用感でちゃんと裏付けてくれるのがすごい。見た目や操作性はもちろん、音の個性やチューニングも含めて、「使っていて心地いい」と思わせてくれる。
音質レビュー
- 試聴環境
- イヤホン:FitEar 334
- ゲイン設定:ミドルゲイン
- 試聴楽曲:
- 嵐「Happiness」
- 雨宮天「PARADOX」
- 久保田利伸「LA・LA・LA LOVE SONG」
嵐「Happiness」
イントロから鳴り出すギターとベースのバンドサウンドが、M21では一段と立体的に響く。
リズム隊のキレが抜群で、ドラムのスネアが「パシッ」と決まるたびに背中を押される感覚。
そこに5人のボーカルが重なると、サウンド全体がぐっと前に迫ってきて、自然と体が弾む。
サビに入ると疾走感が一気に加速し、「走り出したくなる衝動」をリアルに再現してくれる。
M21の解像度とバランス感が、「Happiness」の“駆け抜けるエネルギー”を最大限に引き出していた。
雨宮天「PARADOX」
これまでの力強くクールなイメージとは違い、ポップで可愛らしい空気感をまとった曲。
M21では、その軽やかなアレンジが瑞々しく鳴り響き、イントロから自然と笑顔になるような多幸感が広がる。
雨宮さんの声は澄んでいて甘さも感じられ、サビでは伸びやかさとキュートさが同居する独特の魅力をしっかり表現していた。
バックのリズムはタイトにまとまりつつも柔らかく、声の輪郭を優しく包み込む。
「雨宮天=クール」だけじゃない、“可愛らしい歌声”に改めて気づかせてくれる再生体験だった。
久保田利伸「LA・LA・LA LOVE SONG」
イントロのピアノとコーラスが柔らかく響き、そこにベースラインが加わった瞬間、空気が一気にグルーヴで満たされる。
ベースは深く沈み込みつつもタイトで、全体をしっかり支えている。
久保田さんの伸びやかで艶のあるボーカルは余韻まで美しく、フェードアウトの最後の一瞬まで聴き入ってしまう。
M21の表現力が「90年代の名曲を、いま目の前で歌われているように」蘇らせてくれる瞬間だった。
まとめ
FiiO M21は「音質・操作性・デザイン」のバランスに優れたDAPでした。
FitEarの334や224ならミディアムゲインで十分だけどヘッドフォン使うならスーパーハイゲインがオススメ。手持ちのお気に入り、オーディオテクニカのATH-MSR7bで聴くともう鳥肌もんのサウンドへ昇華しました。デスクトップモード素晴らしい!
特にミドルゲインでの自然な鳴り方と、FitEar 334との相性は抜群。
聴き慣れた曲を“新曲のように感じさせる力”を持っています。
さらに、カセットテープ風ケースの存在で「ガジェットを持つ楽しみ」が倍増。
単なる音楽プレイヤーにとどまらず、毎日の生活をちょっと豊かにしてくれる相棒 になりました。